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なぜチベット産の「冬虫夏草」なのか?
万隆堂 / 2014-07-02

   「冬虫夏草」の種類は昆虫の種類によっていろいろありますが、そのうち漢方として、その名を歴史に残してきたのはチベット奥地の、コウモリ蛾科 (Hepialus armoricanus Oberthur)の幼虫に寄生したもの一種類だけです。

 一口にチベット産の冬虫夏草といっても、採取できる場所は海抜3000メ-トルを下らない厳寒の奥地であり、現地の人以外は、立ち入ることもできません。従って、採取は現地の人に頼ることになりますが、それでも採れる量には限りがあります。その時期は、五月から七月の、雪解けが始まった三ヵ月に限られています。その時期が、最も冬虫夏草がピチピチしている”青年期”なのです。
 
冬虫夏草を発見することは難しく、大雪原の中から、わずか三センチほど顔を出しているのを見つけ出さなくてはいけません。よほど熟練した人でも、一日中山の中を歩いて、せいぜい一〇グラム程度だといいます。
こんな苦労をするくらいなら人工栽培したほうがいい、という考え方もあります。実際に中国では、そうした事業もあるようです。しかし、中国の冬虫夏草の研究家、沈南英副教授は、その意見を真っ向から否定します。
氏によると、「人工栽培の冬虫夏草は、“冬虫夏草”ではない」そうです。学名は同じでも、効能は認められないといいます。また冬虫夏草をドリンク剤や錠剤にするといったことも、簡単にはできることではありません。
 
 中国青海高原とチベット自制区全域内の「冬虫夏草」の年間総採集量は5トンにすぎず、そのうちの8割は国内に使用され、残りのわずかの量がほかの国々に輸出されるのです。
 その一方で、?冬虫夏草?は利用価値が高いため、健康食品分野が発展するにつれて、ますますその需要量が増え、価格は高騰していきます。
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